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和本の海へ 豊饒の江戸文化 (角川選書)価格: 1,680円 レビュー評価:5.0 レビュー数:1 筆者によると、近代人の江戸評価は何度も変転しているそうだ。近代が成熟した今、「江戸に即した江戸理解」が必要だという。そしてそのために江戸文化のインフラである「和本」の豊穣な海へわれわれをいざなうのが本書である。
武士から庶民まで様々な人々に親しまれた和本のテーマは、動物、賭博、易占、言葉遊びなど多岐にわたる。一見してカビ臭い印象を受けるかもしれないが、とんでもない。そこには人々の血の通った好奇心やユーモアがあふれていて、本質的には今日のわれわれと大いに通じるものである。また、それを許す社会的雰囲気、言論・出版の自由があったということだろう。筆者の文体のタッチもなかなか楽しい。 |
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音楽と映像のマルチモーダル・コミュニケーション価格: 3,780円 レビュー評価:4.0 レビュー数:1 音楽と映像とが同期するときの「ここちよさ」はどんな理由で起こるものなのかを検証する好テキスト。構造的な調和、心理的調和という2つの側面から、実験も踏まえての検証が続きますが、丁寧に解説されていてとても分かりやすいです。VJをする方も、映画を撮る方も、音と映像のリンクについて科学的に知るのもいいかも! |
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ゲームと情報の経済分析〈2〉価格: 3,570円 レビュー評価:4.0 レビュー数:3 欧米の「Intro」レベルのテキストで、日本のマイクロだと上級でカバーするレベルのトピックを、議論を数学を極力排して展開している。同様のコンセプトの本としてギボンズがあるが、こちらの方が、情報をカバーしているというだけでなく、内容が深く、定義やモデルの提示のしかたなどから読みやすさも上回っている。
問題は、出版姿勢、訳、現代性。文献リストや索引がII巻にしか付いておらず、原著を半分に割いてハードカバーをくっ付けただけのような本で、しっかりと学ぶためには、同時購入してから読み始めなければならないのは不親切としかいいようがない。また、翻訳技術がいまひとつで、ただ訳しただ |